ファンが多く、確実にCVの成長がみられるオウンドメディアは、間違いなく質が高いもの。ただし、「質」とはアプリオリな「質」、つまり誰にでもいつでもどんな状態でも認められる「質」ではありません。
ここでいう「質」とは
- メディア以前のあなたのアイデアや思考、商品の「品質」の情報といった本質的な点がしっかりユーザーに届けることができているか。
- 届いた情報がユーザーの心に響いているか。
- 個々のユーザーとあなたの「相性」が良い状態であるか。
その「相性」とは馴れ合いの相性ではなく、あなたのオウンドメディアが、それを媒介としてお互いのさまざまな利益につながり相互成長がのぞめるメディアとして機能しているかどうかということです。
そこから導き出されるSEO対策の基本とは、当たり前ですがこの2点です。
- あなたの商品そのものの「品質」を高めること。
- オウンドメディアの「質」を高めること。
SEOを活用することでおもに可能なことは以下の2点でしょうか。
- Googleで上位に表示され、訪問者を増やすこと。
- その訪問者がリピーターになること。
ファンをつくり購入につなげる、リピーターを増やし企業とユーザーの相互成長をはかるうえで、SEOのチェックや対策はやはり欠かせません。オウンドメディアにおけるSEOの重要性とはいったいどのようなものでしょうか?
SEOのポイントは変化し続けている
SEOを活用し、その先へ一歩進むには何が必要でしょうか?それはオウンドメディア構築に役立てるうえで大切なことは何かを考えるのと同義といえます。オウンドメディアを構築するうえで必要なことは、ユーザーが必要としている情報、ユーザーの得になる情報を常に発信すること。あなた自身が、ユーザーから必要とされることです。その試行錯誤は、SEOの観点からも、力のあるサイトに成長することにつながるでしょう。
たとえば、ユーザーが訪れ成果が多くともなうサイトには、必ずユーザー自身が必要な情報を自分で検索できる機能が備わっています。しかし、サイト内絞り込み検索機能の追加には工数や費用がかかることも多く、検索機能をつけたからといってSEO対策に即結びつき成果が出るというわけではありません。また、かつてのキーワード主義から今は一歩抜け出し、コンテンツ重視のSEO対策がとられています。SEOを活用する観点は常に変化しつづけているのです。
2016年はAMPが盛り上がりをみせる? 速いのは当たり前
Googleの発表により、早ければ2016年2月後半には、検索でAMPに対応したページへアクセスを送り始めると公式ブログで発表しました。AMPとはAccelerated Mobile Pages (アクセラレイティッド・モバイル・ページ)の略称。モバイル端末で、ウェブページの表示が超高速化するというプロジェクトです。AMPコンテンツのフォーマットは改良が進んでいます。
モバイルでの検索機能の質とスピードにおける重要性と評価、必要性が高まっているということは、今後ますますモバイルで効果を出せるオウンドメディアが必要になってきたということ。成長し成果を出すオウンドメディア構築のために、SEO対策は必須でしょう。
Twitter、Pinterest、LINE、Viber、Tango、WordPresなども、AMPに対応したコンテンツを重視しています。広告、アクセス解析、購読システムなどを提供する企業なども、いち早くAMPページで機能するサービスやコンテンツづくりに取り組んでいます。
検索の際にユーザーが重視するのは、まずは速さでしょう。AMPに限らず、高速なページに対しては「Fast」ラベルが付き、検索順位が上がることも考えられます。さまざまな企業が必死でAMP対応をめざしているのは、AMPがランキングの要因になるかもしれないからです。ただし最終的には、目についたそれがしっかり読まれ、リピーターになってくれることがオウンドメディアには重要です。
「それは体験があるオウンドメディアですか?」
たとえばあなたの売りたい商品が複数のカテゴリに入る場合、それをURLにどう反映させればいいか迷いますね。それが、ほんとうに届けたい人の目に入りやすくすることは重要なことです。でも、カテゴリの階層はURLに反映させなくても、SEOの観点からは問題はないそう。この場合は、SEOの観点からではなく「コアユーザーがあなたの商品の名称を知っていて、商品名で検索するときに役立つことを考えること」という観点に立っています。
そして、ささやかですがそれは「体験」という意味合いをもちます。UX、つまり「ユーザー経験」という視点からなされたさまざまな機能やシステムの向上や最適化は、やがてワクワクしたりドキドキしたり、安心させたりというより積極的な「体験」を生み出すことにもつながります。ひと手間かけさせることでユーザーをそのサイト内に滞在させること、ささやかなインパクト、忘れられない記憶をユーザーに与えること。それはすぐにSEOの順位には反映されないかもしれません。
しかし「体験があるオウンドメディア」をつくることは長期的な目で見ると必ずSEOに結びつくはずです。Google推奨のHTTPSやAMP、またインタースティシャルの意図も、ユーザーに深く多く体験させるためという本質的な目的によるものでしょう。実際に、SEOの世界では、Googleはユーザー行動をランキングに反映させているという通説があるようです。体験の本質は心が動かされること。目先の順位よりは、ユーザーを満足させ、体験させ、行動を起こさせることを考えましょう。
SEOの本質は“ユーザーとの対話”
SEOとはSearch Engine Optimizationの略称であり、検索エンジン最適化を意味します。あなたのオウンドメディアが、それを必要としているユーザーにちゃんと見つけてもらえるかどうか。そのための最適化施策の総称です。「読まれ、滞在させる」コンテンツを多くつくり、「商品」もそうですがそのおおもとのあなた自身にしっかりユーザーの気持ちをつなげることが重要になってきました。
「SEO検索キーワード」というそもそもの始点のデータ取得は難しくなりました。Googleサーチコンソールをはじめとした解析ツールから取得できたデータをどう受け止めどう活かすか。そのためには、そのデータをあらゆる視座で見つめることが大切です。そしてあなたからフィードバックをユーザーに返すようにコンテンツやキーワードを改善していくこと。SEOとはユーザーとの対話ともいえます。
1.レーベルをつくり上質のファンを獲得!常に次の世代の種まきを
対話とはコミュニケーションをつづけること。対話の手法として、レーベルを何種類かつくり、若いユーザーがコアユーザーに成長するのを見守るという手法が考えられます。駅ビルやファッションビルなどでよく利用される手法です。同じサイト内でも、それぞれのユーザーはニーズに応じて自分はこのレーベルを選ぶ、このコンテンツを読む、とぱっと選択しています。
目移りしてしまうサイトは良くありませんが、あえてターゲットを幾層か設定し、トップページに必ず載せるようにします。何度もそのページを訪れるうちに無意識化から浸透した情報が、やがてユーザーがあるレーベルのターゲット層から外れたときにもはたらきます。見慣れていた別のレーベルを自然に選んでくれるので、付き合いの長い、企業の本質をよく理解してくれている上質の顧客を得ることにつながります。
2.ユーザーの行動を予想し、ユーザーの出会いに焦点をあてる
SEOの順位から見えてくることは、1.キーワードがキーワードを呼ぶということ、2.その組み合わせが大切だということ、3.そこからユーザーの行動が見えてくるということ。また、あらゆる出会いの連続性も見えてこないでしょうか。たとえば、ヨガが好きな人はナチュラル指向の食べ物やカフェ、エコに出会ったときにつよく興味を示す傾向があります。
これはオウンドメディア的な観点といえます。広告手法としてよくいわれてきた、ターゲットを絞る必要性よりも、そのユーザーの行動やコミュニティを想定し、ターゲットを広げていくことが有効な場合もあります。ひとりのユーザーが成長し、結婚し、子どもを育て…つまり、出会いの連続によってユーザーは変化していきます。出会いに焦点をあて、そのときに必要な情報を常に先取りして与えることが、ユーザーに大きな信頼感や満足を与えるのではないでしょうか。
まとめ
オウンドメディアは即効性がありながらも長期的な見込みが期待される手法です。だからこそ、ファンを獲得したその先のことを考えましょう。そのひとつが、エントリーカスタマーを意識し、教育していくということ。商品を今から3年先、5年先に必要とするだろう未来のユーザーに向けてアクションすることです。
現段階では中心的な顧客ではなく、金額的にもまだまだだけれど、5年後にコアユーザーになるだろう人に対するメッセージの投げかけ方を研究しましょう。また、現段階でコアユーザーの人たちはいつか離れていきます。新規顧客の獲得をつねに意識すること。未来のSEO対策、未来の成果づくりを今行うこと。それは、サイト自体に活性化を促し、健康的なオウンドメディアを持続させるための大きな力となるでしょう。