オウンドメディアは、2014年になってからIT業界だけでなく一般の業種でも話題になることが多くなってきました。マーケティング手法にはいろいろなものがありますが、オウンドメディアは自社商品やサービスに認知度を高め、会社のブランディング化のための手法として注目を浴びています。
今後はオウンドメディアが増加していくのが大きな潮流でありますが、その一方でその意味するところを理解していない方も多いのではないでしょうか。ここでは、オウンドメディアとはいったいどのようなもので、勘違いされがちなコンテンツマーケティングとの違いに解説します。
オウンドメディアとは何か?
オウンドメディアの定義
オウンドメディアは広い意味では、企業が自社で所有するメディアのことを意味します。
よくあるのが、「ブログ=オウンドメディア」と勘違いされている場合です。確かにオウンドメディアにはブログは含まれるものですが、すべてではないということを知っておいてください。ブログだけではなくウェブサイトも含まれますし、企業の広報誌、小冊子のように紙媒体もオウンドメディアに該当します。
オウンドメディアの生まれた背景
オウンドメディアは広い意味では、企業が自社で所有するメディアのことを意味します。
よくあるのが、「ブログ=オウンドメディア」と勘違いされている場合です。確かにオウンドメディアにはブログは含まれるものですが、すべてではないということを知っておいてください。ブログだけではなくウェブサイトも含まれますし、企業の広報誌、小冊子のように紙媒体もオウンドメディアに該当します。
トリプルメディアとは
1. ペイドメディア(Paid Media)
従来からある広告メディアのことで、金銭的な対価を支払い、費用対効果を検証します。
例えば、ヤフースポンサードサーチやグーグルアドワーズなどのリスティング広告、バナー広告などがあります。
2. アーンドメディア(Earned media)
広告出稿によりコントロールができず、ネットワークにより信用や評判を獲得していくタイプのメディアのことです。代表的なのが、フェイスブックなどのソーシャルメディアです。
3. オウンドメディア(Owned media)
Owned =とは「所有する」という意味があります。つまり、ウェブサイト、ブログなどを中心とする自社が所有するメディアのことで、さまざまなメディアの中心的役割をします。
トリプルメディアの観念においては、オウンドメディアは広い意味であり、ブログだけではなくウェブサイトも含まれますし、企業の広報誌、カタログ、パンフレット、小冊子など自社のすべてのメディアが該当します。
オウンドメディアの再定義
企業が一方的に自分の発信したい情報だけを発信していては、消費者やユーザーを満足させることはできないはずです。やはり、消費者やユーザーが知りたい、あるいは読みたい情報を発信していく必要があります。そこで、トリプルメディアの観念による分類を考慮しつつ、オウンドメディアについて再定義すると次のようになります。
「企業が発信したい情報を、消費者やユーザーの目線でコンテンツを作成し、発信するメディア」
以下、この定義を前提にオリジナルのコンテンツを作成して、情報発信していくメディアに関してのお話を進めていきます。
オウンドメディアで何ができるのか?
ここまでオウンドメディアの定義とこの言葉が生まれた背景について解説してきました。確かにオウンドメディアは今注目されている優れたマーケティング手法ではありますが、企業が抱えるマーケティングにまつわるすべての課題を解決してくれるわけではありません。
その成果に過度に期待すべきではありませんし、オウンドメディアによるマーケティングを行っていく上で、その目的と到達点を明確にすることが大切です。この点は、他のマーケティング手法と何ら変わるところはありません。
そのためには、オウンドメディアのメリット・デメリットについて認識しておくことが大切です。以下で解説していきます。
オウンドメディアのメリット
コンテンツを資産にして広告への依存度の低減
再定義したオウンドメディアにおいては、ユーザー目線でコンテンツを作成し発信していくことが大切です。つまり、ユーザーが欲している情報がコンテンツ化していくことになるので、有益かつ質の良いコンテンツがオウンドメディアにはストックされていきます。
このストックは資産となっていき、集客するための広告費を大幅に削減することが可能となります。検索エンジンの検索結果で上位に表示されるようになれば、見込み客を絶え間なくオウンドメディアへと誘導することができるようになります。
ソーシャルメディアにより情報を広めることが可能
ユーザー目線で作成されたコンテンツはソーシャルメディアとの相性が良く、フェイスブックやツイッターなどに情報発信すると、たくさんのユーザーに情報を広めることができます。
各ソーシャルメディアでユーザー促成は異なってくるので、それぞれのコンテンツでどのソーシャルメディアで広めるのが最適なのかを判断する必要があります。その意味では、ソーシャルメディアの選択にも戦略的な視点及び企画が必要となります。
将来の顧客を育成する
企業が行っていた従来型の情報発信は、商品の機能や価格について訴えるものが中心でした。ところが、ユーザーは商品自体が欲しいのではなく、悩みを解決したいというのが本当のところです。
この点、オウンドメディアならユーザーの悩みの解消に対応できるようなコンテンツを提供して、従来とは異なる価値あるコンテンツを提供することができるのです。従来の刈り取り型の手法ではアプローチできない潜在的顧客に対して、企業の存在を認知してもらえます。
ユーザー目線で作成されたコンテンツによって、企業がユーザーとコミュニケーションをとることで信頼関係を構築していけるのは、オウンドメディアの大きな特徴といっていいでしょう。
オウンドメディアのデメリット
すぐには成果が期待できない
成果はだれでもすぐに期待したがるものですが、オウンドメディアの場合は即効で成果を出すことはできません。特に検索エンジンで上位表示をさせるには、質の良いコンテンツを一定数ストックし、外部からの自然な被リンクをもらうにはそれなりの時間を必要とします。また、狙ったとおりにはいかないという面もあります。
企業によっては、即効性のあるリスティング広告とオウンドメディアの費用対効果を比較するような事例も見られますが、これは非常にナンセンスです。オウンドメディアの優位性について理解できていない例といっていいでしょう。
運用に労力がかかる
オウンドメディアを実際に運用するとなると大変労力がかかります。自社内部で運用するのであれば人員を配置しなくてはなりませんし、コンテンツの作成を外部に委託する場合でも管理する必要があります。まずはコンテンツの企画立案をしなくてはなりませんし、作成されたコンテンツの編集・校正をする必要があります。コンテンツをメディアに掲載した後に効果測定しなくてはなりません。
最近ではクラウドソ-シングを気軽に利用できる環境が整ってきましたが、オウンドメディアの運営をすべて任せることはできません。あくまでもコンテンツの作成だけを外注できるにすぎないのです。たくさんある業務の一部を外注できると理解した方がいいでしょう。
まとめ
オウンドメディアの概要について詳しくご紹介いたしました。オウンドメディアがどういうものであるか、ご理解いただけたかと思います。現在、アメリカでも自社のメディアを強化していく傾向が顕在化してきています。オウンドメディアは顧客との信頼関係を構築するのには最適なマーケティング手法ですが、それ自体が目的ではありません。オウンドメディアは手段であって、あくまでも目的はビジネスだということは頭に入れておいてください。