WEB業界に留まらず、今では、マーケティング業界や広告業界においても欠かせないキーワードとなった「コンテンツマーケティング」。
コンテンツマーケティングを展開する上で重要となるのが「オウンドメディア」ですが、いざ「始めてみよう!」と意気込んでも、実際のところは、何から始めていいのかわからないもの。
今回は、オウンドメディアの導入に至るまでのフローやおさえて欲しいポイントなどを交えながら、WEBマーケティングが初めての方でも簡単に理解できる「オウンドメディアの導入方法」についてご紹介します。
オウンドメディア導入における7つのステップ
1.まずはオウンドメディアのことを理解しよう
「オウンドメディア」とは「自社が所有するメディア」のことを意味し、自社のWEBサイトやブログ、会社案内、会員向けの会報、商品カタログなどがこれに該当します。しかし、WEBマーケティング上では、自社発信によるWEBメディア全般のことを示すことが多いようです。具体的には、自社のブログ、自社のアカウントのSNS(Facebook・Twitterなど)やYOUTUBEなど、今では一般の方も利用することが多いメディアです。
オウンドメディアのメリットは、なんといっても「自社のWEBメディアであること」。
メディアとしてしっかりと機能させ、SNSなどで拡散させることができれば、これまでの広告費を抑えることができます。また、良質なコンテンツを提供し続けることで、既存顧客や自社の商品やサービスに興味を持って頂いた潜在顧客をファン化させたり、会員化するなど、囲い込みが可能となります。
2.オウンドメディアの目的を明確化しよう
オウンドメディアは、自社で良質のコンテンツを提供し続けることで、ターゲットとの絆や信頼を深めていくことで効果を出すメディアです。そのため、効果を得るまでにはある程度の時間や人的な労力などを要しますし、効果が目に見えるまでは、運用中に迷いが生じることも多々ありますので「目的を明確化」することが重要になってきます。
目的の例としては、自社のブランディング、商品・サービスの認知向上や理解浸透、既存顧客のロイヤリティ強化などがあげられますが、企業の業種や規模、商品やサービスの特長や販売チャネルなど、それぞれの企業や商品・サービスによって目的は様々。
オウンドメディアを始めるにあたって、自社の問題点や課題を把握し、目的を明確にする
ことを忘れないでください。
3.ターゲット(ペルソナ)を設定しよう
オウンドメディアを始める上で、コンテンツの内容に大きく影響を及ぼすのがターゲットの設定です。ターゲット設定がブレてしまうと、オウンドメディアの核となるコンテンツもあやふやなものになってしまいます。先にも記しましたが、オウンドメディアはターゲットと絆や信頼をじっくりと深めていくメディアである分、ターゲット設定は、船で言うところの舵取りのような役目を果たしていますのでとても重要です。
ターゲットをさらに明確化し、コンテンツのブレをさらに無くすために設定するのが「ペルソナ」です。
ペルソナの設定で大切なのが、より具体的でリアルな設定をすること。より明確にイメージできるよう、年齢・性別・職業・インターネットで利用するデバイス、利用する時間や場所、趣味等々、きめ細かく詳細に設定することで、コンテンツのテーマやデザイン、訴求ポイントなどがさらに明確になり「よりエッジの効いたコンテンツ」を創れるようになります。
4.コンテンツを考えよう
ペルソナを設定したら、いよいよコンテンツの企画・設計に入ります。コンテンツの企画・設計は、オウンドメディアの成果を左右するとても重要なパートといえます。
コンテンツの企画・設計では、ただやみくもに面白そう!とか楽しそう!ということを考えるのではなく、設定したペルソナが興味を持ちそうなものやニーズがありそうなものをベースに考えます。
コンテンツを見て、ペルソナがためになると思ってもらえそうか?次もコンテンツを見てもらえそうか?など、あくまでペルソナの立場で考えるということを忘れずに。
コンテンツの種類は、大きく、お役立ち情報や基礎知識、ニュースやQ&Aなど様々なものがありますが、どういった種類のコンテンツを作成するかは、企業や商品・サービスなどによって変わってきますので、自社に合ったベストなコンテンツを考えることが大切です。
5.オウンドメディア運用チームをつくろう
オウンドメディアの理解・目的・ペルソナ設定・コンテンツの企画まで進んだら、いよいよ実施・運用に取り掛かることになります。
そのために必要なのが「オウンドメディア運用チーム」。オウンドメディアの導入には、コンテンツの企画・制作、投稿、効果検証など、想像以上に人的なリソースやコストを要しますので、自社の中でチームや組織が必要となります。また、ライターやWEBデザイナーなど、外部のパートナーの協力を得ることで、より良質なコンテンツが作成できますので、各エキスパートを運用メンバーに召集することも視野に入れておくとよいでしょう。
また、オウンドメディア運用チームの立上げのタイミングは特に決まりはありません。企業によって様々だと思いますが、オウンドメディアの企画まで決まった後に、社内で正式に運用チームを立ち上げることの方が一般的なようです。
6.コンテンツを作ろう
オウンドメディアの構築は、主にブログが中心になると思いますが、そこでおすすめなのが「CMS」。
CMSは、ブログ作成に必要なフレームやテンプレートなどがあらかじめ用意されているので、HTMLやCSSなどのWEB制作の専門的な知識が必要ありません。デザイン作成や投稿作業、またカテゴリーやタブ付けなどがとても簡単、かつスムーズに行えますのでとても便利です。
CMSの代表的なものとしては「WordPress」があります。WordPressの利用方法や不明点に対する回答などはインターネット上で多く掲載されていますので、専門知識がなくても安心して利用することができます。またプラグインなどの拡張機能も充実しているので、自社に合ようにカスタマイズできるのも、WordPress活用の大きなメリットといえるでしょう。
また、最近では、画像やテキスト、動画などの投稿ができるウェブサービス「Tumblr(タンブラー)」など、CMS機能を持った新しいウェブサービスなども見られるようですので、最新情報にはチェックが必要です。
7.いよいよ公開! 積極的にPRしよう
いよいよ、待望のオウンドメディア公開! ですが、オウンドメディア立上げ当初は、思うようには見てもらえないもの。まずは、しっかりとPRをすることが大切です。
主なPR活動としては、自社サイトにてオウンドメディアに関する情報を掲載・リリースすること、自社のFacenookやTwitterなどのSNSで告知すること、メディア各社にプレスリリースを配信することがあげられます。
SNSでは、最近はInstagramを利用する企業も多くなってきていたりもしますので、どのメディアを利用するのがベストなのか、常に情報収集と検証を行うことが大切です。上記PRの他、知名度の少ない立上げ時は広告出稿を検討するのも良いかと思います。なかなか目に見える反応は見られなくて苦しい時ではありますが、オウンドメディアを立上げた時は多くの企業が味わうこと。決してあきらめずに、地道に・しっかりとPR活動を行うことが大切です。
また、PR活動と同時に効果検証を行うのも忘れてはいけません。オウンドメディアは「育てていくメディア」ですので、PDCAサイクルを意識することが必要になります。公開したオウンドメディアへのアクセス数やコンバージョンとともに、アクセス解析なども行い、目的に近づいているか?良かった点はどこか?改善点はどこか?などの視点を持ちながら進めていくことが大切です。
まとめ
オウンドメディアを始めるための導入方法を、導入フローとともに、おさえておきたいポイントなども交えながらご紹介さえていただきました。オウンドメディアは、広告等と異なり、「地道に・育てていくメディア」ですので、オウンドメディアに対する理解を始め、目的の明確化やペルソナ設定、コンテンツの企画・運用など、様々なコストを必要とします。
しかし、様々なコストを要する分、成功すれば、“自社にとって、とても大きな資産”になります。今回のご紹介した内容が、これからオウンドメディアの立上げを検討している方のお役にたてましたら幸いです。