なぜオウンドメディアが注目されるのか?

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今、オウンドメディアを運営する企業が増加しています。マーケティング活動全体として、成功する事例も見られるようになってきました。IT業界以外でも多種多様な企業で導入され、オウンドメディアはますます注目されるようになっています。

では、なぜオウンドメディアが注目されているのでしょうか。ここでは、その理由についてご紹介します。

オウンドメディアが注目される理由

広告の効果が期待できなくなった

トリプルメディア論による分類に従えば、広告はお金を払うことにより費用対効果を検証するペイドメディアに分類されます。ペイドメディアは費用をかければかけるほどユーザーの認知度が高まり、商品やサービスの購入へと導きやすくなります。ところが、最近では、ユーザーの環境が変化してきて、広告に費用をかけたとしても以前ほど効果が期待できなくなってきました。

これにはいろいろな理由が考えられますが、ユーザーが受け取る情報量があまりにも増え過ぎたということが大きな要因です。企業はマス広告を利用して大量の情報をユーザーへと流すようになり、ユーザーはどれが正確な情報であるかを判断しにくい環境になってきました。

しかもスマートフォンの普及により、ユーザーはいつでも情報を大量に受け取ることができる環境になりました。その結果、ユーザーは企業から一方的に提供される商品やサービスに関する情報を嫌悪するという傾向が見られるようになってきたのです。

その一方で、ソーシャルメディアの登場により、ユーザーは親しい友人からすすめられた商品やサービスに関する情報を元に購入するかどうかの判断をするようになりました。その結果、従来までの一方通行型の広告では、ユーザーに情報が届かないという環境が出来上がってしまったのです。

そこで、自社で情報をコントロールして、ユーザーへ情報発信し信頼関係を構築していくための手段としてオウンドメディアが注目されるようになりました。

グーグルアルゴリズムの大幅な変更

検索エンジンの検索結果で上位表示させ、自然流入によりユーザーを集めるにはSEO対策は必須のものです。以前は大量のコンテンツを掲載したり、優良の外部リンクを購入したり、自作自演による外部リンクの構築により、一定の検索エンジン対策の成果は上がっていました。

ところが、グーグルアルゴリズムの大幅な変更により、今まで行われていたSEO対策が通用しなくなり検索順位が大きく変動するようになりました。グーグルはアルゴリズムを大幅に変更したことを公式に認め、有料の外部リンクや自作自演による外部リンクのあるサイトを評価しないという立場を明確にしました。また、質の低いコンテンツを大量に掲載しているウェブサイトも同様に評価しないことを明言したのです。

このような経緯があって、SEO対策のためにはコンテンツの質が重視されるようになってきました。つまり、企業がマーケティング活動を行っていく上でコンテンツマーケティングは欠かせないものとなり、その手段の一つとしてオウンドメディアは注目されるようになったのです。

コンテンツ資産化のニーズ

企業が情報を発信するためのメディアとしてソーシャルメディアは大きな役割を果たすようになってきました。ところが、フロー型のメディアであるため、コンテンツが自社の資産としてストックされることはありません。

ツイッターやフェイスブックというソーシャルネディアはあくまでも他社が運営するメディアであり、コンテンツは自社のものとはならないのです。せっかくユーザーにとって有益なコンテンツを作成して発信したとしても、すべてプラットフォームであるソーシャルメディアに蓄積されていくに過ぎません。

ここ数年にわたってソーシャルメディアは注目され大きな話題となりましたが、一過性のブームで終わった例も数多く見受けられます。これは企業がマーケティング活動の目的とするところとは大きくかけ離れたものであり、改善を迫られる課題となりました。

そこで、この課題を解決するための手段としてオウンドメディアが注目されるようになったのです。オウンドメディアはユーザー目線で作成されたコンテンツを提供していくためのハブとなり、繰り返しユーザーとのコンタクトを図ることを可能にするものです。さらには企業の作成したコンテンツを長期間にわたって保管する役割も果たせます。

オウンドメディアにストックされていくコンテンツは企業の資産になり、それはユーザーが継続的に訪問してくるきっかけとなります。時間の経過ととともにコンテンツは増加していくので、ユーザーがコンテンツを閲覧するために滞在する時間も長くなります。ユーザーの滞在時間が長くなると、グーグルの検索エンジンは有益なコンテンツがあると判断し、検索結果で上位表示されやすくなるという効果も期待できます。

ユーザーの利用する端末の変化

以前は、インターネットによる情報収集の端末はパソコンが中心でしたが、現在ではスマートフォンへと移行しつつあります。パソコンによりインターネットにアクセスする場合には接続できる環境は限定されていますが、スマートフォンならあらゆる環境下でアクセスが可能です。ちょっとした空き時間にインターネットにアクセスできるようになり、利用時間はかなり長くなりました。

空き時間にインターネットを利用する場合には能動的に何かをしているわけでなく、受動的に何らかのコンテンツを閲覧している場合が4割以上というデータがあります。つまり、企業がユーザーとコンタクトをとる手段として、コンテンツという形で情報提供するのが自然なことになり、大きな効果があることがわかってきたのです。

ユーザーの利用する端末がパソコンからスマートフォンへと変化したことにより、有益なコンテンツを提供し続けるオウンドメディアが注目されるようになりました。

企業による情報コントロールの必要性

従来は企業の側から広告などを通じて情報発信していればそれなり成果がありましたが、ソーシャルメディアが登場してからはその手法が通用しなくなってきました。企業がどんなに広告に費用をかけたとしても、ユーザーは企業からの一方通行の情報と受け止め、嫌悪する傾向があります。

しかも情報が氾濫している現代では、ユーザーは情報量の多さにうんざりしています。そこで、ソーシャルメディアの友人から情報により、商品やサービスの購入を判断するようになってきたのです。ユーザー同士がコミュケーションをとることで、情報をコントロールするという状況が生まれてきて、企業が情報に関与できなくなりました。

企業の中には、ソーシャルメディアを利用したマーケティングに行っているところもありますが、情報の拡散していくスピードがあまりに速いため企業によるコントロールが及ばなくなってきています。そこで、企業が情報をコントロールできるようにするための手段として、オウンドメディアが注目されているのです。

まとめ

オウンドメディアが注目される理由について、詳しくご紹介しました。オウンドメディアを運営し、育てるには、時間と労力が必要となります。加えて、コンテンツを継続的に作成して情報発信していくには、それなり人員と体勢も必要です。ただ流行しているからという安易な理由で運営を始めるのではなく、将来への投資という視点で慎重に検討されることをおすすめします。

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