キーワードを意識する記事と意識しない記事の切り分けが重要

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オウンドメディアは、ペイドメディア(自社からユーザーに向けたメッセージ性のはっきりした広告)とアーンドメディア(ソーシャルメディアにより口コミで広がる広告的要素)のエッセンスを組み合わせ練り上げたメディア。長期的で爆発的な効果がのぞめる、完成度の高いメディアといえます。

そもそも、自社メディアであるオウンドメディアとは

  1. 自社の商品が広く認知され売り上げにつながること
  2. ファンを獲得し育てること

この2点をおもな目的にしています。「企業から顧客へ」という発信のしかたにおいては、オウンドメディアはペイドメディアの考え方と同じ。そのなかでも、顧客のほかにその企業の商品のことをよく知らない潜在顧客への大きな効果や質の高いリピーター獲得も図れるというのが特徴です。オウンドメディアの効果は基本的に

「質の高い記事×量」

これを根気よくつづけることで確実に上がります。だからこそ、その「質」の条件を確認しておくことが必要。ひとつひとつの記事の質次第で、効果が半減、または倍増するはず。方向性を間違えないようにして確実に質のいいファンを獲得できる記事を数多くアップするには、何が必要でしょうか?

オウンドメディアにおける、記事の質の高さとは?

オウンドメディアの特徴はずばり、ターゲットの幅の広さ。ターゲットには、顧客、潜在顧客などさまざまなタイプのユーザーがいます。そのため、記事を書くときは「この記事は誰に向けて書いているものか」ということを必ず意識するようにしましょう。それが質の高さにつながります。オウンドメディア構築、運営において、ユーザーそれぞれをあなたのオウンドメディア内で心地よく滞在させ、リピーターにするために気をつけるべきことは2点。

1.ユーザーそれぞれが読むべき記事、読みたい記事が直感的に判断でき、スムーズにアクセスできること
→(ポイント)それぞれの記事の見出しを明快にし、本文を読めば役立ちそうだとユーザーに思わせること。直感的にユーザーが行き先を判断できるようなUXデザイン、UIデザインの考え方を有効に使うこと。

2.ひとつひとつの記事の質が高いこと
→(ポイント)すでにその商品をよく知っている顧客が読んで「良い」と思う記事と、商品の存在も知らない潜在顧客が読んで「良い」と思う記事は違います。ひとつひとつのターゲットを明確にすることが必要です。

さらに質を上げるために、ペルソナを設定することも有効。いずれにしても、記事には検索キーワードを意識することがSEOの観点から必須です。それぞれのターゲット設定における記事がめざすべき「質」と、そのキーワードの意識のしかたについてみてみましょう。

顧客がターゲットの記事

セリングページ(商品の売り上げに直結するページ)として使いやすいか、明快かを意識しましょう。意識すべき検索キーワードは商品名や商品に直接結びつくもの。
(例)商品の使い方や効果などの説明をする記事。開発の裏話など、発信者目線から提供される記事も「読まれる」記事になりやすいです。

潜在顧客がターゲットの記事

リンクベイトコンテンツ(企業のコンセプト、ブランドやリンクに直結するページ)として機能しているか意識しましょう。意識すべき検索キーワードは、その商品に直接かかわりはないけれど事業全体に関わるキーワード。その商品の存在を知らない潜在顧客の「困った」や「こうしたい」が発生する場面をシミュレーションしましょう。潜在顧客の行動を分析して、解決や満足などを与えられるような役に立つ記事にすることが大切です。

キーワードの使用目的はあくまで、「自社のコンテンツにユーザーが辿りつく」ということ。
(例)潜在顧客の悩み事や望んでいる事などのヒントが見つかりそうなまとめ記事、ランキング記事など。大きな分野でその事業全体を研究した、ユーザーの役に立つ記事。ユーザー目線の商品レビューの記事などはとくに、見せ方によってアーンドメディアらしく見せることができ、「読まれる」記事になりやすいです。

潜在顧客の検索キーワードは無限 キーワードを意識しないことも大切

記事の「質」と「検索キーワード」は大きく関係します。「潜在顧客がターゲットの記事」に求められる質と検索キーワードの関係について、もうすこしくわしくみてみましょう。Googleの公式ブログで発表されている、良質なサイト構築のためのアドバイスはSEOの視点ともちろんリンクしています。
おもなものに、

  • 発信者自身がそのトピックについて確信をもち、専門家として熟知している状態で書かれた記事かどうか
  • 同サイト内に同じようなキーワードが並んだ記事が展開されていないか
  • ユーザーの興味や満足に基づき選択されたトピックかどうか
  • 独自性や専門性があり、価値のある記事かどうか

といったものがあります。これらを意識したうえで質の高い記事を量産しようと思うと、

  • 多くのペルソナのパターンを設定した、内容や視点が明らかに違う記事
  • 多くのキーワードを使った記事

が必要となりますね。潜在顧客の幅を広げていくこと、自社のサービスを広げていくことがその解決策となります。

記事の展開の方向性として

  1. キーワードを意識する記事。しかも質が高いため安定して読まれる。
  2. キーワードに固執しない記事。でも質が高いためファンの獲得につながる。

この2つの方向性の記事の切り分けが、オウンドメディアの長期的で有効な運営において重要です。2のタイプの記事から発信者側が得られるメリットとしては、質の高さにより多くのユーザーに読まれるため、あらたな潜在顧客を獲得できる→ファンを獲得できる確率がアップすること、記事のテーマを広げられるので発信者側のネタ切れ状態を防止できることがあります。

2のタイプの記事にはどんなものが考えられるでしょうか?

1.オウンドメディア内にブログを設置して活性化を図る

商品やビジネスに直接関係なくても、その企業のスタッフの雰囲気が伝わってくる記事はどうでしょう?「企業の顔が見える」かどうかは、ビジネスにおいて重要なポイント。日々更新されるブログから社風の良さが伝われば、商品自体の信頼も高まりますし、何より長期的なファンの獲得に大きな影響を与えます。開発秘話なども非常に魅力的なコンテンツ。

ユーザーが購入するものは商品の裏にあるストーリーといっていいからです。また、ブログ担当者個人のニーズや問題解決までの道のりがブログから垣間見えることで、「発信し、読まれる」という化学反応から起こるあらたなコンテンツやサービスの発生も期待できます。

2.相互リンクや関係者の紹介により、業界自体の価値をアピール

企業において大切なことは、常に成長し続けること。変わらない価値、同じ情報を提供しつづけるという価値ももちろんありますが、変化しつづけるユーザーのニーズに応えつづけること、牽引していくことで企業の伸び率が決まります。ターゲットの幅を広げるためには、キーワードを更新していくことが必須ともいえるでしょう。

もちろんサイト内に滞在させ、ファンを獲得することは必要ですが、あなた自身が媒介となり、ユーザーと外部をつなげてあげることも大切です。それは「ユーザーが求めるものを知っている=質の高いものを知っている」という大きな価値だからです。自社商品を使っているモデルのサイトへのリンクや関連事業の紹介など、自社が属している業界の認知や価値自体を上げることに努めましょう。

そもそも商売のおおもとである「三方良し」=現代でいえば「自社が媒介となりサービスや製品を展開しユーザーに提供することで、経済の面においても社会的な面においても、もちろんユーザー個人においても、価値を生み出すしくみ」を意識することが大切です。

3.オウンドメディア=社会参加 CSRを意識した記事も

オウンドメディアという形態の利点は、幅広い未知の顧客に出会えること。何より「読まれ、信頼される」あなたらしいオウンドメディアを構築することが大切です。自社をもっとも理解してもらえるメディアとしてオウンドメディアを活用できれば、自ずとあなた自身に必要なファンは集まってくるといえます。

社会において企業のもつ役割は、商品の展開もそうですが、社会的責任をどれだけ果たすことができているかということ。CSRとはCorporate Social Responsibilityの略で、「企業の社会的責任」のこと。ISO26000や企業の慈善活動ともよく一緒に語られます。企業の事業活動によりどれだけ社会参加し、倫理や環境、労働問題などの視点から問題解決に貢献する責任をもてているかということ。「ユーザーの集合体=社会」。企業によってCSRの捉え方はさまざまですが、社会的に企業の信頼を得るためには、自社発信のツールすべてにおいてCSRのスタンスが見える状態であることが重要でしょう。

まとめ

キーワードを意識する記事は、どちらかといえば小さな視点。「見えている、対象がはっきりしている」顧客へ、丁寧な説明や新しい視点を提供する記事がいいでしょう。キーワードを意識しない記事は、どちらかといえば大きな視点。「未知の、対象がぼんやりしている」ユーザーへ、対象がぼんやりしている代わりに自社のスタンスや発信したいことをはっきり届けることができるような記事がのぞまれます。自社の成長や視座により、キーワードもどんどん更新されるといえます。更新していくことで、記事ひとつひとつの質を向上させていきましょう。

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