オウンドメディア運用での成功の概念とは

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オウンドメディアはいまやマーケティングに欠かせない存在です。ユーザーに有益な情報を発信したり、企業や商品の価値を高めたり、ユーザーとの関係を構築したりするツールとして期待されています。

しかし、せっかくオウンドメディアを運用しているのに、アクセスがまったく集まらなかったり、ユーザーからの反応がいまいちだったりしませんか?

このように、オウンドメディア運用に対して悩みを抱えている担当者はたくさんいます。こうした悩みの多くは「どうしたらオウンドメディア運用で成功することができるのか」という点です。オウンドメディア運用における「成功」とは一体何かを考える必要があるでしょう。

よくあるオウンドメディア運用の失敗例

成功について考える時には、成功事例よりも失敗事例の方がより身近で理解しやすいものです。また、同じようなミスを犯している可能性が高く、改善のヒントを得ることができます。そこでまずはよくあるオウンドメディア運用の失敗についていて見ていきましょう。

1.商品・サービス紹介ばかり書いてしまう

企業にとって、ユーザーに伝えたい情報が商品であったり、自社のサービスであったりするのは当然のことです。しかし、自社が伝えたいことだけを書いていては、コミュニケーションが一方通行になってしまい、ユーザーからの支持を得ることはできません。
オウンドメディアは運用側が伝えたいことばかりではなく、ユーザーが必要としている情報も織り交ぜながら更新していく必要があります。

2.提供する価値が不明確

「ユーザーの反応がいまいち」という悩みを抱えているのであれば、それは多くの場合、ユーザーの期待している情報と提供している情報が一致していないことが原因として考えられます。オウンドメディアだからこそ、より濃い内容や深い内容を伝えたいものですが、ユーザーは自分にとってメリットのある記事かどうかで判断します。その判断の多くはデザインであったり、コンテンツの読みやすさであったり、分かりやすさです。提供するコンンテンツが、自惚れが強く、自己中心的なものだと、ユーザーに伝えたいことが届かず、どんな価値を提供しているサイトなのかがわからない状態になってしまいます。

3.サイトデザインが特徴的すぎる

サイトデザインはとても重要です。ぱっと見の印象でそのサイトにとどまるかどうか判断されます。また、最終的には運営企業の印象にもつながるポイントです。しかし、オリジナリティあふれる特徴的すぎるこだわったデザインのサイトにはある問題が発生します。

それは、操作性です。デザインに凝りすぎて、ボタンの位置がわかりにくかったり、必要な情報が検索しにくかったりすることがあります。また、デザインによってGoogleのインデックス数が減ったり、Search Consoleでコーディングエラーが出るといったデメリットも発生します。

オウンドメディア運用の落とし穴

オウンドメディア運用を成功させるには、運用の落とし穴にはまらないことが重要です。はまりやすいオウンドメディア運用の落とし穴について紹介していきます。

1.外注丸投げ

オウンドメディアを運用するにあたって、Webマーケティングやコンテンツ制作の専門家などが必要になります。しかし、社内にそのような人物がいない場合は社外の人間と組むこともあるでしょう。その際、お金を払うからといって案件を丸投げしていませんか?

例えば、「コンテンツ案の千本ノック」や「とにかくバズ狙いのコンテンツ作成」、「見た目のデザイン重視」などです。外注先に丸投げをしてしまうと、本来オウンドメディアを通してキャッチしたかった目的やKPIからズレてしまうことが大いに考えられます。

2.完璧主義になる

オウンドメディアとして完璧な状態にしないといけない、という思い込みを持っているといつまでたってもリリースなんてできません。当然、最初は運営のためのKPIを設けるのでしょうが、それに固執するよりも、状況に応じてKPIを変更していくくらいの柔軟さを持つほうが良いでしょう。
Facebook創設者のマーク・ザッカーバーグは「完璧を目指すよりまずは作り上げてみる」という言葉をモットーに掲げています。やりながら、修正を加えていくほうが効率的なのです。

3.コンテンツをたくさん作る

オウンドメディアにとって、コンテンツがたくさんあったほうが良いと考えるのは間違いではありません。しかし、大切なのは実はコンテンツの質です。どんなにたくさん記事があったとしても質が良くないと誰も読んでくれません。100本の中身の薄い記事を書くくらいなら、1本内容が充実した記事を書くほうがはるかに有益なのです。

4.おもしろいコンテツさえ作れば成功する

おもしろいコンテンツさえ作れば、ユーザーが増え、ファンの囲い込みができ、商品やサービスも売れると考えていませんか?確かに、コンテンツが魅力的であることはオウンドメディアを成功させる条件の一つであることは間違いありません。しかし、本来の目的を達成することができるのか、ユーザーのニーズに応えているのか、ビジネスにつながるのかという基本的な条件を忘れてはいけません。

成功したオウンドメディアの事例

オウンドメディアの運用について成功概念を探るには、一般的に成功事例と言われているサイトを見ていくことでわかります。具体的にどんなサイトが成功事例と言えるのか、見ていきましょう。

北欧、暮らしの道具店

北欧、暮らしの道具店(http://hokuohkurashi.com/)は、ECサイトメディアでは有名なサイトとなっています。北欧系の雑貨や食器が好きな方は、一度は目にしていることでしょう。
このサイトの特徴は、スタッフ全員がサイト更新に関わっているという点です。採用時点でライティングや写真撮影の技能についてチェックされ、一定以上の能力を持っている人材しか採用しません。一部の社員だけが更新しているわけではないので、ユーザー側としても新鮮で視点が違って面白い記事を読むことができるのです。その結果「北欧、暮らしの道具店」は年間で1.8倍ずつ訪問者が増え続けています。

サイボウズ

サイボウズ(http://cybozushiki.cybozu.co.jp/)はオウンドメディアとして有名なサイトの一つです。「チームワーク」と「働き方」というテーマに沿った記事を提供しています。担当しているのは編集長含め6人で運用しているのですが、内容によっては取材等を外部委託することもあります。

サイボウズは、会社が伝えたいことよりも、読者のネタにしやすい話題を取り上げることを中心に運用しています。そのための外注スタッフなのですが、それでも会社の求めるベネフィットとサイトのクオリティを保っているのは2つの骨子とも言えるテーマを編集部がしっかりと認識し、コントロールしているためです。

オウンドメディア運用での成功の概念とは

オウンドメディア運用の成功概念を知るために、失敗例と成功例を見てきました。ここから見えてくるのは成功のために必要な3つの要素です。

受益者間のバランスが取れている

そもそもオウンドメディアを運用する目的はなんでしょうか?それは運用することで得られる利益があるためですよね。そう、一方の受益者は運用側である企業です。ユーザーに商品やサービスを知ってもらい、自社のビジネスにつなげる狙いがあります。

もう一方の受益者はオウンドメディアのユーザーです。ユーザーはオウンドメディアを通して有益な情報を得たいと考えています。どちらかに偏るのではなく、この両者の利益が成り立つ形で運用できることがオウンドメディア運用の成功と言えます。

ユーザーとの関係構築ができる

オウンドメディアはユーザーが求めるものを提供し自社の利益を求め、ユーザーもまたサイトに依存するという相互依存関係をもたらします。そのため、ユーザーとの関係を構築することは必要不可欠です。

ユーザーの意見に耳を傾けたり、どんなことを求めているのかを素早くキャッチし、サイトに反映させる必要があります。そのため、メルマガやコメント欄、問い合わせ設け、ユーザーとの接点を作るのです。成功しているオウンドメディアはユーザーとの接点が設けられ、関係をしっかりと構築できています。

トリプルメディアの連携

自社メディアやブログを指す「オウンドメディア」、マスメディアやポータルサイトなどを指す「ペイドメディア」、Facebook、TwitterなどのSNSを指す「アーンドメディア」の3つをトリプルメディアと呼びます。オウンドメディア単体ではなく、マスメディアを使った情報発信や、SNSを使った情報拡散、またはユーザーとのコミュニケーションという連携を行うことで、より効果的にオウンドメディアを活用することができます。

まとめ

このように、オウンドメディア運用を成功させるためには、さまざまな要素を考慮しなければなりません。短期的・近視眼的な視点ではなく、中長期な幅広い視野でオウンドメディアを構築し、成功を勝ち取りましょう。

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