オウンドメディアとは、企業が発信したい情報を消費者やユーザーの目線でコンテンツを作成し発信するメディアのことです。オウンドメディアの運営について考えると記事作成ばかりが気になるものですが、実際にはそれ以外にも考えなくてはならないことは数多くあります。
ここでは、オウンドメディアを作るためやるべきことを、順序立てて解説していきます。
オウンドメディアの作成手順
オウンドメディアを作成する手順は、以下の3つに分類されます。
- 既存サイトの分析
- 戦略の立案
- プランの作成
1. 既存サイトの分析
まず初めにやるべきことが、既にあるサイトあるいはブログについての分析を行うことです。既にあるサイトあるいはブログをリニューアルするのか、それとも新たにURLを取得して新規サイトあるいはブログを立ち上げるのかを決定するためです。
チェックすべき項目としては、以下のようなものがあります。
独自ドメインかどうか
オウンドメディアは自社で所有するものですから、独自ドメインを取得することは大前提となります。無料ブログサービスなどは、運営会社の資産であって自社の資産にはならないからです。無料ブログなどの規約には著作権についての記載があり、運営会社に著作権は帰属すると書いてあります。アクセスが少ないうちは分からないかもしれませんが、アクセスが増えてくると、広告掲載の依頼や出版の話がもちかけられたりすることもあります。その際には、独自ドメインであることが有利に働きます。
また、無料サービスの場合は、ある突然運営会社の都合でサービスが停止されたり、アカウントを削除されるというリスクがあります。このようなリスクを回避するためには、独自ドメインを取得することは必須といえます。
ドメイン名との関連性
ドメイン名とは、インターネット上の住所のようなもののことです。例えば、グーグルのドメイン名は「google.com」と表記されます。
SEO対策を行う上では、ドメイン名はこれから作成していくオウンドメディアと関連のある表記が有利です。関連性が全然ないのであれば変更することを検討する必要があり、関連性のあるURLを新しく取得することをおすすめします。
アクセス数と既存コンテンツの分析
既にあるサイトやブロに掲載してあるコンテンツについて分析する必要があります。これはオウンドメディアに引き継ぐコンテンツとそうでないコンテンツを選別するために行います。引き継げるページが多ければ、新しいオウンドメディアの運営をスタートしていく上では有利に働きます。
既存コンテンツのアクセス数、アクセスの流入経路、上位表示キーワード、そのキーワードでの月間検索数、オウンドメディアとして流用の可能性などを分析して引き継ぐコンテンツを決定します。
既にあるサイトの外部リンク数
既にあるサイトの外部リンクの数と質をチェックします。外部リンクは被リンクとも言いますが、SEO対策上とても重要なものです。既にある被リンクの数が多く、しかも関連性のあるサイトからのリンクであれば、新規のURLでオウンドメディアを立ち上げるのはおすすめしません。被リンクについては時間をかけて分析し、慎重に判断することが大切です。
サーバー環境の整備
オウンドメディアへと切り替えると、アクセス数が飛躍的にアップしてきます。桁違いのアクセスが集中してくることで、サーバーに負荷がかかってきます。サーバーへの負荷が大きくなると、それに比例してページの表示速度は遅くなってきます。これはSEO対策としては好ましくないので、早急にサーバーを変更する必要があります。
できればスタート時点からある程度のアクセスを見込んで、それに耐えうるようなサーバー環境を整えておくといいでしょう。
利用しているCMS
オウンドメディアを構築していくコンテンツ・マネジメント・システム、略してCMSとしてはワードプレスがおすすめです。記事管理が効率的に行えるため、多くの企業で採用されています。
サイトの見やすさ
既存のサイトやブログのレイアウトが見やすいかどうかをチェックします。それぞれのページのレイアウトだけでなく、文字の大きさ、文字の間隔、行間、画面の余白の割合についても確認します。これらのことは記事の読みやすさと関係してきますし、メディアのイメージにも影響を与えます。
ページの仕様
既存サイトやブログがどういう仕様になっているかをチェックします。特にソーシャルメディアのボタンを設置してあれば、それぞれの記事が効率的に拡散できます。また、記事の作成期日の表示がされるかどうかも重要な点です。記事の鮮度を重視するのであれば表示させた方がいいでしょうが、長期間にわたって読んでほしいのなら表示させない方がいいでしょう。
ページの仕様はSEO対策と関連の深いのですが、CMSにワードプレスを採用すればSEO対策については考える必要はありません。ワードプレスはSEO対策ができているページ仕様になっているからです。
2. 戦略を立てる
オウンドメディアのコンセプトを明確に
オウンドメディアはアクセスを集めることだけを目的とするものではありません。メディアに繰り返し訪問してもらい、見込み客となってもらい商品を購入していただくところが最終ゴールなのです。これを達成するためには、オウンドメディアのコンセプトを明確にすることが大切です。それぞれの記事を読んでいく中で、読者が運営者に親近感を感じるような内容にする必要があります。このことを意識したコンセプトを確立する必要があります。
出口をどうするか
オウンドメディアに親近感が生まれたとしても、出口を設定しておかなければ訪問者を見込み客へと変えていくことはできません。ここでいう出口には、各企業のビジネスによって変わってきます。例えば、アプリをダウンロード、メルマガの登録、メールでの問い合わせ、無料レポートのダウンロード、資料請求などがあります。
また、オウンドメディアが狙うキーワードとも関係してきますので、慎重に検討して決定する必要があります。
キーワードの書き出し
ウェブでアクセスを集めるには、キーワードが一番大切です。企画の段階で対象となるキーワードを100個以上書き出しておきます。キーワードを決める際にポイントとなるのは、どんなユーザーを対象とするかということです。これが決まれば対象となるキーワードもはっきりとしてきます。
どうやって拡散させるか
記事をどうやって拡散させるかという戦略を考えます。拡散させるための手段としては、いろいろなものがあります。例えば、ソーシャルメディア、メーリングリスト、既存の顧客、インターネット広告などです。これらのものをうまく活用して、効率よく記事を拡散していくための戦略について見検討します。
3. 戦略を実行するためのプランを作成する
戦略を立てたら、プランを作成し実行してくだけです。
記事の作成と編集について
記事の作成は編集作業とワンセットと考えなくてはなりませんが、特に編集は重要な作業です。オウンドメディアの記事作成においては、編集担当者がイニシアチブをとって作業していかなくてはならないからです。
記事のタイトルを考えたり、記事作成者への内容の指示、スケジュールの管理、記事の掲載作業、レイアウト、写真や画像の挿入、記事アップ後の拡散などをしなくてはなりません。これに対して、記事作成者は受身で、編集者からの指示を待つというスタンスです。
なお、記事作成は自社内部で作成したり、外注して業者やライターに任せるという方法があります。いずれにしても編集者の力量に左右されることは間違いないので、編集者をだれに決めるかということは大変重要です。
スケジュール管理
オウンドメディアを実際に作成し始めるとわかるかと思いますが、大変手間隙がかかります。結果を早く出したいと考えて、無理なスケジュールを立てることはおすすめできません。
スタート当初の当面の目標は100記事ですので、1週間でどのくらいの記事を作成できるかを算出します。そのうえで、100記事に到達するまでのというスケジュールを立てて、目標を達成するまでスケジュール管理をしていきます。
まとめ
以上、オウンドメディアを作成していく際にやるべきことについて解説しました。今回ご説明した内容を理解された上で、実際にコンテンツの作成及び運営に取り掛かることをおすすめします。オウンドメディアは運営を開始してすぐに成果は出ません。大量のアクセスを集めるには最低でも記事数が100以上必要とされています。辛抱強く長期間に渡って運営していく必要があるということを、しっかりと肝に銘じておいてください。